水野好子

ラインアートシャルマン デザイナー

水野好子

つくる立場でもかける立場でも満足のゆくデザインを

「デザインの参考にするのはメガネではないんです。美術館に行ったり、時には美しい自転車や椅子にインスパイアされることも」と語るラインアート シャルマンのデザイナー、水野好子。イメージを形にするためにはただデザイン画を描くだけでなく、実際に手を動かし、模型を作りながらアイデアを固めていくのが彼女のスタイルです。
「エクセレンスチタンの完成が見えてきていた2006年頃は、幅広で硬いテンプルのメガネが主流でした。でも、今後はきっと柔らかなラインのやさしい印象のトレンドが来るような気がして……。あれこれ考えているところに“バネ性のある新しいスゴい素材が完成した”“レーザ接合もできるらしい”と、デザイン室にニュースが飛び込んで来たのです。新しいブランド、新しいデザインのために素材や工程の開発から取り組むことのできるメガネメーカーなんて、そうはありません。これはデザインしなければ!と取り組みました」。  
極細のエクセレンスチタンによるワイヤーアートというコンセプトのもと、水野は金属の線材とパールビーズを購入し、数えきれないほどの模型を作成。そんな中の一つであった、後にクインテットとなるデザインは、接合部分が40カ所以上もあり、当初は量産不可能と言われました。「私も試作を繰り返しましたが、製造スタッフも何度も工夫してくれて……。誰一人あきらめなかったから、ラインアートが誕生したのだと思います」。 誕生から10年、現在ではデザインのバリエーションも大きく広がりました。
「デザインを真似たメガネを見かけることもありますが、私たちがこだわっているのは素材と工法と一体となってかけ心地の良さを実現するデザインですので、かければすぐに違いはわかっていただけると思います。かけた瞬間“あっ、やさしい!と感じる。それが、ラインアートのデザインだと思っています」。

かけた瞬間、
笑顔になるような
機能を纏った
美しさを水野好子

水野が最初に完成させたクインテットの手作り模型。5本のラインと小さなボールを組み合わせたデザインから、究極のかけ心地が誕生した。