
「私の中の、クリエイティブな
スイッチを押してくれる」


Vol.4
デザイナー・アーティスト
「裁縫道具」
篠原 ともえ さん
ここちよく生きる。あなたが輝く。
ラインアート シャルマン 15 周年 特別インタビュー企画

かがやきに充ちている人の傍らには、きっと最高の相棒が存在します。
素晴らしい相棒と一体になった時、人はどこまでも輝ける。
ラインアート シャルマンも、人に寄り添い、その人をより輝かせる“相棒”でありたい。
さまざまな分野で活躍するプロフェッショナル15人のお話から
“相棒”との一体感がもたらす、かがやきの秘密を紐解きます。
かがやきに充ちている人、そのひとのそばには、きっと最 高のバディ達がいます。最適な相棒と一体になった時、ひとはどこまでも輝ける。ラインアートの想いも、そこにあります。人によりそい、輝きを増したい。
様々な分野で活躍するプロフェッショナル15 人にお話を伺いながら、一体感がもたらす奇跡と、かがやきの秘密を紐解いていきます。
ここちよさと生きる。あなたが輝く。
ラインアート シャルマン 15 周年
特別インタビュー企画
Vol.4
デザイナー・アーティスト
「裁縫道具」
篠原 ともえ さん

- デザインした服をまとうことで自分を表現
お祖母様は着物のお針子、お母様はテーラード(服の仕立て)を嗜んでいたという、篠原ともえさん。
「幼い頃からものづくりに触れる環境で育ったこともあり、絵を描いたり人形の服や小物をつくって遊ぶ子どもでした。ファッションやデザインに興味をもつようになったのも、とても自然な流れでした」。
デザインを学べる高校でデッサンや平面構成、プロダクトデザインなどを勉強する傍らで、16歳でデビュー。“シノラーブーム”と呼ばれる社会現象を巻き起こしたカラフルで個性的なファッションは、自分の中から生まれたものだったという。
「自分の好きなものを身につけて自分らしさをお届けするのも表現者としての仕事の一部だと思っていました。デビュー当時からデザイン画を描いては周囲の大人たちにプレゼンを繰り返し、アイデアが認められた時は嬉しかったですね」。
メディアで活躍する一方で、大学ではファッションを専攻。
「エンターテインメントの仕事の合間に学校の課題に向き合う忙しい毎日でしたが、デザインすることや自分でつくった服をまとって活動できることはただただ嬉しく、楽しかったです。デザイナーにも憧れつつ、当時は好きなことがありすぎて、自分の道を絞ることはできませんでした」。
20歳の時に自身が出演する舞台の衣装を手掛けたことがきっかけでデザイナーとしても注目され、クリエイティブな仕事のオファーが少しずつ増えていく。2013年には松任谷由実さんのコンサート「POP CLASSICO」の衣装デザイナーに抜擢され、続いて2015年には嵐のコンサート「ARASHI BLAST in Miyagi」から衣装デザインチームに参加した。
「舞台に立つアーティストや演出家など、プロフェッショナルな方々のお仕事に触れることでたくさんの刺激を受けました。期待されている以上のアイデアを出して一流のものに仕上げたいという思いが湧き上がる貴重な経験でした」。

- デザインのプロセスを楽しみ、アイデアを届けたい
2020年にはアートディレクターの池澤樹さんとクリエイティブスタジオ「STUDEO」を設立。
「チームで取り組むことで企画から制作、皆さんの手に届くまでの一気通貫ができるのが強みです。クリエイティブ作業はまず、リサーチから始まります。知らないこと、やったことのないことも意見を出し合い深掘りすることで思いがけない出会いに繋がることもありますし、学びも多いです。10代の頃は自分で着たいもの、似合うものをデザインするだけで満足でしたが、今は創りあげた作品を人の気持ちの奥にまで届けるプロセスまでを考えるようになりました」。
2021年と2022年には国際的な広告賞であるニューヨークADC賞の受賞を果たした。なかでも2022年にシルバーキューブとブロンズキューブのダブル受賞を達成した “THE LEATHER SCRAP KIMONO“は、レザーでつくられた着物。何層にも重ねたレザーのエッジの自然な曲線の美しさと水墨画のようなカラーグラデーションの豊かで新しい表情が賞賛を集めた。
「長い歴史をもつ日本の天然革の伝統と魅力をどのように表現するか試行錯誤を繰り返しましたが、本来は破棄されてしまう部分を無駄なく使うことで、美しさに加えサステナブルなメッセージもお届けすることができたと思っています」
その後もホテルのスタッフ用ユニフォームのデザインやデザインコンペの審査員・トロフィーのプロダクト制作など、クリエイティブな活動は多岐にわたり広がっている。

篠原ともえさんが 創作の際に活用している裁縫道具。ポーチはお祖母様が仕立てた着物地をほどき作ったもの。そしてお母様から受け継いだ針山、学生時代から使い続けて手に馴染んだ道具類から、新たな作品が生み出される。
今回着用したメガネは、ソロ コレクションのXL11310 BK。ミニマルでありながら計算し尽くされたフォルムが顔立ちに立体感をもたらす。
- 受け継がれてきた道具に背中を押されて
篠原さんがものづくりに携わる際にいつも側に置いているのが、お祖母様、お母様から受け継いできた道具たちだ。
「ポーチは祖母が仕立てた着物をほどいてつくったもの。針山は父が母にプレゼントしたものをファッションを学んでいた大学生の時に“これからはあなたの方がたくさんものをつくってゆくでしょう”と譲り受けたものです。その頃は私自身、ものづくりが生業になってゆくとは想像していませんでしたが、祖母、母、私と続くルーツを感じることで自分の人生は導かれているようにも感じます。学生時代からずっと使い続けているハサミやメジャーには“しのはら”とか“シノラー”とか、一つ一つに名前を記していて、こちらも自分に欠かせない、道具以上の存在です」。
使い込んで手に馴染んだ道具や布に触れることで想像力が掻き立てられ、クリエイティブなアイデアを生み出すスイッチになることも。
「触れた時に感じる印象って、つくる側だけでなく受け取る側にとっても、
とても大切だと思っています。手をかけて丁寧につくられたものに対する受け手の感性を信じて作品をお届けしていきたいですね」。
篠原さんにとって裁縫道具同様にものづくりのスイッチとなるのが、メガネ。
「作業をする時にかけることが多いので、メガネをかけることでクリエイティブなモードになれるんです。フレームを選ぶときは、ファッションアイテムとして私を彩ってくれることと、自分らしさのどちらも基準にしています」。

- 鯖江のメガネ職人の技にリスペクトを込めて
シャルマン 銀座並木通りで篠原さんが手に取ったのは、ブラックとゴールドのコントラストがさりげなく個性を放つ、知的な印象のクラウンパントシェイプのメガネ。ラインアート シャルマンのフレームはどれも、独自に開発した素材「エクセレンスチタン」のしなやかなバネ性と素材を活かす「レーザ接合技術」で、かけていることを忘れてしまうほどの心地よさを追求している。
「かけた瞬間の圧倒的な軽さに感動したのですが、開発に至るお話を伺って、重量としての軽さだけではなく、かけ心地自体が軽やかなのだと理解しました。顔になじむ、自分の一部という感じです」。
仕事柄、ものづくりのストーリーに刺激を受けることは多い。特に職人の話にはリスペクトを込めて積極的に耳を傾ける。
「日本には素晴らしい技術がたくさんありますが、鯖江のメガネ産業もその一つ。福井出身の知人も、鯖江のメガネは日本の誇りだと言っていました。素材の開発だけで8年もの月日を費やしたと知ると、想像するだけで胸が熱くなります。メガネという作品と向き合い、たくさんのアイデアや思いを注ぎ込んで緻密で繊細な作業を重ねている職人さんたちの現場に、いつか足を運んでみたいですね」。
今後はデザインとともにものづくりの背景にある素材や技術の物語を伝える活動も積極的に行っていきたいという篠原さん。
「素晴らしい技巧を目の当たりにすると、ものへの愛しさも増しますよね。技術を育て、継承していくプロセスを自分のデザインに取り込むとともに、職人さんの尊い仕事にも光を当てていきたいです」。
篠原さんにとって、裁縫道具とは

篠原さんにとって裁縫道具が自身のクリエーションのルーツとなる“相棒”であるように、ラインアート シャルマンはこれからも、すべての人に寄り添い、その人生を輝かせるパートナーを目指していく。
Photos:Yoshihito Sasaguchi(SIGNO)
Styling:Tomoe Shinohara
Hair&Make-up:Yoko Suemitsu
Realization:Tomoko Shimizui

INFORMATION
「Heart Art Project」
統合失調症をはじめとする”こころの病”を抱えた方々の趣味や治療を通じて制作された絵画作品募集プロジェクト「Heart Art Project」のスペシャルサポーターを務めている。
https://www.mental-navi.net/togoshicchosho/live/event/index.html
