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「物心つく前から、

 いつも傍らにあり続けた」

Vol.11

狂言師

「扇」

六世 野村 万之丞 さん

ここちよく生きる。あなたが輝く。
ラインアート シャルマン 15 周年 特別インタビュー企画

15th Anniversary LineArt CHARMANT

かがやきに充ちている人の傍らには、きっと最高の相棒が存在します。

素晴らしい相棒と一体になった時、人はどこまでも輝ける。

ラインアート シャルマンも、人に寄り添い、その人をより輝かせる“相棒”でありたい。

さまざまな分野で活躍するプロフェッショナル15人のお話から

“相棒”との一体感がもたらす、かがやきの秘密を紐解きます。

かがやきに充ちている人、そのひとのそばには、きっと最高のバディ達がいます。最適な相棒と一体になった時、ひとはどこまでも輝ける。ラインアートの想いも、そこにあります。人によりそい、輝きを増したい。

様々な分野で活躍するプロフェッショナル15 人にお話を伺いながら、一体感がもたらす奇跡と、かがやきの秘密を紐解いていきます。

ここちよさと生きる。あなたが輝く。
ラインアート シャルマン 15 周年
特別インタビュー企画

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Vol.11

狂言師

「扇」

六世 野村 万之丞 さん

- 父や祖父の舞台姿に憧れて

豊島区にある萬狂言の稽古場に立つ、野村万之丞さん。狂言の稽古をはじめたのは2歳半の頃だった。

「鮮明には覚えていないのですが、後に初舞台を踏むことになる『靭猿(うつぼざる)』の稽古をつけてもらっていた時に、おじいちゃん(人間国宝の野村萬さん)の目を見て一生懸命に動いていた記憶はうっすらと残っています」。

そもそも狂言とは、室町時代に生まれた台詞劇。

「能と交互に上演されてきた、日本最古の喜劇と言われています。人間の心……弱い部分やダメな部分を映し出し、さらけ出して笑いに変え、ご覧になる方には素直に笑っていただきながら、時に“人間ってこういう所あるよね”と感じていただければ」。

万之丞さんの祖である初世万蔵から四世万蔵までは加賀藩お抱えの狂言方として金沢で活動。明治維新を機に東京に拠点を移し、約300年にわたってその芸を受け継いできた。

「和泉流の中の一つの家になりますが、家の特徴として父によく言われるのは“品”と“リアルな笑い”とのバランスです。笑いに振りすぎず、ガチガチにお固くもない。稽古もまずは品、型、様式、美しさを叩き込まれ、その後にリアルな面白さや茶目っ気で枝葉を広げていく感じです」。

伝統を担う立場であることを意識したのはいつ頃なのだろうか。

「母の話では2歳の頃、幼児教室で先生に“大きくなったらおーとんとんするの(拍子を踏む)”と言っていたそうです。子供ながらに父や祖父の舞台姿を格好いいと思っていたのでしょう。小学校に入ると将来の夢はプロ野球選手になり、土曜日や日曜日に友達は野球をしているのに自分は稽古で行けないことに、何でウチだけ?と疑問を抱くようにはなりました。それでも、稽古がものすごく嫌というわけではなく、何故かはよくわからないけれどやらなければいけないこと、という意識で続けていましたね」。

- 狂言をもっと身近に感じてもらいたい

狂言師としての自覚が生まれるには、二度のきっかけがあったという。

「最初は高校三年生になり、周囲の皆が進路を決め始めた頃。あらためて自分は何がやりたいのかを考えた時に狂言に勝る現実的な目標が見つからず、この道に進むのならと大学の日本文学科を選んだのが一度目の決断です」

その後、大きな転機となったのは20歳での万之丞襲名。

「父から覚悟はあるかと話をいただいた時に、自分で自分の退路を断つ良いきっかけになると思いました。襲名することで自分の尻を叩き、レールに乗せた感じです。“どうなりたいか”などというビジョンはまだなくて、とにかく芸を含め人としても、名前に相応しく立場に恥じないものにならなければ、とプレッシャーを感じながらの襲名でした」。

襲名から8年、学びと成長の中で、大きな名前を少しずつ自分のものにして来た。

「名前が血となり骨となるというか、自分の成長の助けになり大きくしてくれたと思っています。最近は弟たちも成長して、一緒に舞台で仕事ができるようになりましたし、これからも時間をかけてでも自分の色や形をつくっていくことができるように頑張らないと」。

その弟の拳之介さん、眞之介さんと2023年から半年に一度開催しているのが「ふらっと狂言会」だ。

「同じ世代や初心者の方たちに、気軽に、文字通り“ふらっと”観に来ていただきたいという思いからスタートした公演です」。

国立能楽堂のロビーには漫画家の東村アキコさんのイラストによるフォトスポットや装束(衣裳)を着たり道具を手に狂言の型を体験できるコーナーが設けられ、上演前には見どころの紹介、上演後には三兄弟によるトークタイムが設けられるなど、初めての人にも入りやすい構成、演出が人気だ。

「ありがたいことに回を重ねるごとにお客様が増え、地方公演のお声もかかるようになりました。自分たちが役者としての力をつけ、公演を催す力をつける場でもあります。初めて狂言をご覧になった同世代の方たちがついて来てくださって、一緒に歳を重ねていくことができればと思っています」。

野村万之丞さんの“相棒”である扇から2017年の襲名の際の、画家の蜷川有紀さんによる「赤富士」の絵柄のもの。

今回着用したメガネはプレスト コレクションXL11109 GR。正面リム幅0.7mmの極細クラウンパントシェイプはシンプル&ミニマルなデザインで、和の空間はもとよりビジネスシーンにも上品に寄り添う。

- 扇から広がる無限の世界

第一回のふらっと狂言会の際の“600年前のネタがまだウケるってすごくない?”というキャッチコピーの通り、狂言は上司と部下や恐妻家の男など、現代にも通じる庶民の人間らしさを描いた喜劇。舞台にはほとんど装置も小道具もなく、場面や所作は観客の想像力に委ねられる部分も多い。そんな中で、さまざまな役割を果たすのが、扇だ。

「弓矢、筆、鼓、酒を注ぎ飲むための器……舞台では扇をさまざまなものに見立てて使います。先人たちの、できるだけ少ない道具で何でも表現しようという思いから工夫が重ねられてきたのでしょう。場面に即したモノに見えるかどうかは役者の力量でもあり、ご覧になる方の想像力で、おぼろげにでも“ああ、今、酒を注いで呑んでいるのだな”などと感じていただけたら」。

扇は、太郎冠者なら鳥の子と呼ばれる白地、長袴を履いた役なら金地など役に応じておよそ決まっている場合や演目によって専用のものもあるが、多くはその都度、演じる側の判断で選ばれるという。

「襲名や初めての役を披く際に贈ることが多く、贈られたものは、一つ一つに思い出があります。今、自分で保有しているものは20本くらい。三兄弟でお揃いの扇で出演したこともありますね。僕のアルバムには、開いた扇を手に稽古をしている初舞台前の稽古の写真が残っていますが、大人用の扇(長さ約30センチ)が身長の半分近くあった当時から、稽古にも舞台にも欠かせない存在なのです」。

狂言師としての万之丞さんにとって扇がともに歩んできた大切な存在であるように、プライベートで欠かせないのが、メガネ。

「おそらく小学校への往復の電車の中でずっと本を読んでいたことと、母に見つからないように布団の中でゲームをしていたことで目が悪くなりました(笑)。中学まではメガネでしたが、高校で硬式野球をするようになってコンタクトレンズを使うように。今は舞台ではコンタクトですが、稽古の時や台本を読むときなどはメガネです」。

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- 激しい稽古にも不安のないメガネ

撮影の際にも扇を手に、いくつもの型や所作を演じてくれた万之丞さん。

「狂言には前転、側転といった激しい動きもありますし、舞ではジャンプして一回転することもあります。激しい動きがある稽古では今まではメガネだと不安でしたが、このメガネなら大丈夫かな」。

今回の撮影で万之丞さんがセレクトしたのは、メタリックグレーの質感と極細のリムが知的で品格あるスタイルを叶えるメガネ。

「プライベートには黒縁もお洒落かなと思いましたが、着物にはリムが細いタイプが合うと思い選びました」。

野村万之丞さんが扇を手にどんな場面をも演じるように、ラインアート シャルマンもまた、独自素材「エクセレンスチタン」によるバネ性と素材を活かす「レーザ微細接合」技術で、どんな場面にも寄り添い、フィットする究極のかけ心地を提供している。

「味わったことのなかったかけ心地、というのが第一印象。軽さにも驚きました。扇や衣装など狂言で用いる品にも通じますが、日本の職人さんが細部までこだわりを持って作っているものには安心感がありますね」。

30歳を迎えるのを前に、年末には大曲の一つである『花子(はなご)』に挑戦することも決まっている。

「狂言の世界では『釣狐(つりぎつね)』を披くことが一人前の証のように言われていますが、『花子』はその次の段階。これからの技術を磨いていく30歳を前に、心を新たに臨みます。和泉流には254の狂言の演目がありますが、父ですらまだ20曲くらいは演っていないものがあるといいます。祖父や父が元気なうちに多くのものを習得して、扇だけでなく自分自身の幅も広げていきたいと思っています」。

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野村万之丞さんにとって扇とは

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野村万之丞さんにとっての扇が観客の想像の扉を開く “相棒”であるように、ラインアート シャルマンはこれからも、すべての人に寄り添い、その人生を輝かせるパートナーを目指していく。

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Photos:Yoshihito Sasaguchi(SIGNO)

Hair&Make-up:Mio(SIGNO)

Realization:Tomoko Shimizui

INFORMATION

ふらっと狂言会♭6

日時:2025年10月18日(土)11時開演
演目:解説 野村万之丞

「仏師」野村拳之介 野村眞之介

小舞「菊の舞」石井康太

「成上り」野村万之丞 河野佑紀 小笠原弘晃

三兄弟トーク

会場:国立能楽堂
料金:一般 3,000円 U29割 2,000円(身分証提示) 
※全席自由席 ※入場は5歳以上
お問い合わせ:ヨロズチケット:0120-807-305(平日11:00~18:00)

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ショート金髪を持つ女性

PROFILE

1996年11月28日生まれ。和泉流狂言方。東京都出身。祖父は初世野村萬(人間国宝・文化勲章受章)、父は九世野村万蔵(万蔵家九代目当主)。2000年に『靭猿』にて初舞台。2017年六世として野村万之丞を襲名。狂言以外にも、専門学校舞台芸術学院、桜美林大学、日本体育大学の講師を務め、2018年NHK大河ドラマ「西郷どん」の明治天皇役や朗読劇『THE MOST DISTANT DAY FROM YOU』出演など、幅広く活躍。

野村 万之丞

Mannojo Nomura

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時に絵のように、時に詩のように、

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豊かな彩りをもたらすのは

より心地よい日々。

 

15周年を迎えたラインアート シャルマンは、

これからも

いつまでもかけていたくなる心地よさと

一人ひとりを彩る美しさで

あなたの毎日を満たし、さらに輝かせます。

15th Anniversary LineArt CHARMANT

いつまでもかけていたくなる心地よさと、一人ひとりを彩る美しさで

あなたの毎日を満たし、さらに輝かせます。

ラインアート シャルマン 15 周年。

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